求められるのはぴったりマッチした経験
経験の浅いスタッフが多くなっている
IT業界で転職を希望する時、特定のスキルを持っていないと転職先がないと考えてしまいがちです。しかし特にIT系の仕事経験がない未経験者でも、仕事をすることができる職場はあります。転職希望者の経歴などを特に重要視しないで採用する企業も多いようです。ただしそのような未経験者ができる仕事が多く、経験の浅い従業員が中心になっている職場には、共通する困った事態が起きていると言います。
例えば経験が浅いエンジニアが大切な仕事を任された時、きちんと仕事の成果を上げているように見えるが、「実はできていない」ということが起こっています。「仕事をする」ということには、中心になる仕事の前後のビジネス上の折り合いをつける部分も含まれています。経営者から見ると、経験が無い人は自分が完璧に仕事をしたと思っていても、10ある仕事のうちの7程度しかできていないということが良くあります。経験豊富なベテランの技術者なら言わなくても分かりますが、経験が浅い人には難しいことです。その仕事が企業にとって重要な仕事だった時、取り返しのつかない事態に陥ることもあると言います。
仕事を完成させられる人材が求められている
このような失敗を防ぐためには、「仕事を完成させられる人材」が必要になります。一昔前の企業には普段は目立たないベテランが、ここぞという場面で登場し、未完成の仕事を完璧に仕上げてくれるものでした。しかし世の中全体のリストラが進み、いざという時に頼りになる人材が企業にいなくなってしまっています。また若い起業家を中心に急成長した企業には、そもそも経験豊富なベテランが存在しません。結果として経験豊富な頼れるベテラン社員がIT企業全体から消えてしまっているような状況になっています。このような状況を受けて、IT企業内では「ベテランの大切さ」を見直す動きが起きています。転職者に求める資質も経験豊富な仕事を完成させる力を持った人が中心になっているのです。
仕事にぴったりマッチした経験
企業が求める仕事の経験と経験豊富な転職者が実際に出会った時にミスマッチが起こることがあります。企業が本当に欲しい技術の経験者とは違う、別のスキルの熟練者であることが多いということです。採用する企業側もどのような人が自分達の仕事に役立つ人材なのかを見抜く方法を持っておらず、採用したいけれど採用が難しいという状況も起きています。そこでキャリアを重ねた転職希望者におすすめしたいのは、自分のキャリアを透明化して、自分はどのような経験をしてきたか、どのようなスキルを持っているかという「スキルとキャリアの可視化」をすることです。採用企業側は、自分が欲しいスキルと経験を持っている転職希望者を喉から手が出るほど欲しいと思っています。自分の価値を分かりやすくアピールすることで、企業側から見つけてもらいやすい状況になるでしょう。